読んだ本「海上護衛戦」 大井篤著

 不朽の名著といわれる「海上護衛戦」。ようやく購入して読んでみました。
感想ですが、日本は今も昔もシーレーン(海上線?)によって支えられているのだなと痛感しました。そしてそれを軽視すればどうのような結果になるのかも本書は教えてくれます。
 現在海上自衛隊の対潜能力は世界でも有数(らしい)なのは、このときの教訓を生かしているのでしょう。
 他にこのテーマを扱っている本としては、シミュレーションゲームジャーナル編「やっぱり勝てない太平洋戦争」(並木書房)の「崩壊する帝国の戦争経済」という章、森本忠夫著「魔性の歴史 マクロ経営学から見た太平洋戦争」第2章「資源と輸送と海上護衛と」(最近PHP新書から「マクロ経営学から見た太平洋戦争」という書名で再販されました)、NHK取材班「太平洋戦争 日本の敗因〈1〉日米開戦 勝算なし」(角川書店)があります。
どれも読んだ後、orzとなってしまいます。

 余談ながら「海上護衛戦」で当時塩(食用)の必要量が約9万6千トンで、国内生産量が約2万6千トン(ということは輸入量は約7万トン)という記述を見て、塩すらも輸入しなければならなかったのかとへこんでしまいました(素朴に考えて日本は海に囲まれているのだから塩ぐらい自給できると思っていました)。
 じゃあ今はどうなのよ。というわけでデータを探してみました。で見つけたのがここ。その中にある平成16年度塩需給実績についてを見てみると。

供給量 国内 1225 外国 8251 単位は千トン (平成16年度)

 今もあまり変わってないような・・・・・・・(自給率12%か)。ただ需要量を見てみると大部分は工業用のようなので(生活用は220千トン)、生活用に限ればもうちょっと自給率は高いのかも(この資料だけでは分かりませんが)。
 しかし塩って財務省の管轄だったんですね(最初、農林水産省のデータベースで必死になって検索していたのは秘密です(笑))。

追記
せっかくライフログがあるので、利用してみます。
海上護衛戦
大井 篤 / 学習研究社
スコア選択: ★★★★★

海上護衛を語る上での必読書といえるでしょう。


やっぱり勝てない?太平洋戦争―日本海軍は本当に強かったのか
「やっぱり勝てない?太平洋戦争」制作委員会 / シミュレーションジャーナル
スコア選択: ★★★★★

「崩壊する帝国の戦時経済」の章はグラフを多用しており、分かりやすい。さっと日本の海上護衛戦がどのような推移をたどったか知りたい場合お勧め。


マクロ経営学から見た太平洋戦争
森本 忠夫 / PHP研究所
スコア選択: ★★★★

旧版との違いは、前書きとあとがきのみです。


太平洋戦争 日本の敗因〈1〉日米開戦 勝算なし
NHK取材班 / 角川書店
スコア選択: ★★★★★

このシリーズも必読書といえるでしょう。
by sperling | 2005-09-13 06:01 | 読んだ(読んでいる)本
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